DTMスキルアップメモ - frenchbread

見習いボカロPがそこそこのボカロPになるまで、が描かれていくはずのブログ。

初心者向けピアノ打ち込み術(③ちょっとしたピアノソロ編)

こんばんはfrenchbreadです。

以下の2つの記事の続きで、このシリーズは今回で完結です。

 


今回の記事の目的

ミディアムテンポのポップス曲などで「ピアノソロの短いイントロで始める」というパターンはままあると思う。

今回はそれをそこそこそれっぽく打ち込めるレベルを目標としたい。

 

たとえばこんな感じのイントロのメロディとコードを思いついたとしよう。ピアノだけで始まり、途中からベース・ドラムなどが入ってきてそのままAメロにつながるイメージだ。

 (なお、「旅に疲れたその心に」というわたしのオリジナル曲のイントロそのものです。)

 

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それをこのくらいのクオリティで仕上げるには?という話。

サンプル聴いて「あ、この程度か」と思われた方には得るものはないはずなので、「これくらい作れればとりあえず十分かな」と思った方のみ続きをどうぞ。

 

 

右手でメロディ弾いたら左手どうする?

前々回の記事で「右手でコード、左手でルートを基本形と心得ましょう」と書いた。

では「右手でメロディ弾かないといけないソロの場合はどうすんのよ?」ということになる。

もし「コードを無視するわけにはいかないから左手でコード弾くしかないよね」「一番下の音はルート音だよね」と考えて、左手を単純なコードの白玉にしてしまうと、こんな打ち込みになる。

 

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しかし演奏させてみると、これはひどい

コードを弾く箇所では石の塊を投げつけられるような不快さがあり、一方で右手も左手も動いていない箇所は間延びしてしまう。

再生しなくても結果は想像つくだろうが、一応音源も置いておく。

 

ではどうするかと言うと、有力な選択肢の一つは左手をアルペジオにすることである。音が一つずつ分散して配置されるので、先のような極端な音のデコボコが生じなくなる。

今回この記事ではこれとは別のアプローチを試みるが、左手アルペジオの作成については以下の記事と記事内の動画がわかりやすいと思う。

 

sleepfreaks-dtm.com

 

ほかのやり方として、左手をほぼベースの役回りに専念させる方法がある。基本のバッキング編で紹介した「右手はコード、左手はルート」の基本形と同じである。

適宜5度の音や、コードの変わり目で動きをつけたりして、下図のようにした。

なおバッキング編では「左手をオクターブ弾きにするときは低音のかぶり注意」と書いたが、今回はソロ部分なのでオクターブ弾きにした。このほうが迫力が出る。

 

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演奏するとこんな感じ。地味だが少しサマにはなってきた。

 

右手はコードも弾くしオブリガードも入れる

しかしまだ問題点は残る。

  1. たとえば1小節目はコードがGM7なので構成音は「G・B・D・F#」だが、 頭拍では「G」と「F#」しか音が鳴っていない。「D」が2拍目裏で登場するものの、コードがメジャー系かマイナー系かを決定する重要な「B」の音が含まれていない。
  2. 2小節目など、右手も左手も音の動きがないため、相変わらず間延びしている。

 

問題点1に対しては、コードの変わり目を中心として、右手の余っている指でコードの構成音を弾くのが通常のアプローチになる。最も聴こえやすいのが最高音なので、主に小指でメロディを弾いて、他の指でそれより低い和音を添える形だ。

この際、和音を同時に鳴らしてもよいが、メロディの入りの部分など情感を込めたい箇所では、親指から小指に向かって少しタイミングをずらして弾くと効果的である。

また、メロディと構成音全てを一度に弾こうとすると無理がある箇所もあったり、同じ手法ばかりだと単調になったりもするので、適宜音を抜いたり(コードの響きにあまり影響しない5度の音など)、タイミングを分散して構成音を網羅したりして、コードの範囲内でトータルでコードの響きを出すようにすればよいだろう。

 

問題点2に対しては、バッキング編と同じアプローチで、音の隙間を縫うようにオブリガード(主旋律を引き立てるための短いサブフレーズ)を入れていく。メロディと一人二役になるので、オブリガードのベロシティは弱めにする

サスティンペダルを踏んでいる箇所は鍵盤を離しても音が持続するので、短くコードを弾いた後で大胆に跳躍したりしてもコードの響きは失われない(*)。

 

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(*) Cubaseだと「MIDI>機能>ペダルをノート長へ」という、サスティンペダルの切れ目までMIDIノートを伸ばす(擬似的にMIDIでサスティンペダルを表現する)コマンドを使うと、音が持続している範囲を視認しやすい。実行してundoすれば元の状態に戻るので、慣れないうちは役に立つかも。

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完成形

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 (再掲)

 

上記のアプローチで右手を完成させたものが上図。

色付き枠で囲っている箇所は以下のとおり。

  • ブルーはメロディーの下でコードの構成音を弾いているノート。
  • ピンクはオブリガード。なお最後のグリスダウン(アップ)はセクションの終わり・始まりでよく使われる。この奏法は白鍵しか弾けないので、スケールにあわなくても白鍵だけをノート配置するべき。
  • グリーンは右手もオクターブ弾きをしている(囲い箇所がメロディの1オクターブ下)。今回のソロ中で最も力強く弾きたいところなので、メロディラインを強調した。

 

参考情報

前2回の記事を書いたあと、えきさんが以下の記事をアップされていた。

わたしの記事に足りない「ちゃんとピアノを打ち込み・ミックスするなら気をつけておくべきこと」がまとまっているのと、わたしと違ってちゃんとしたプロ作曲家の方の記事なので、未読の方はぜひどうぞ。

 

eki-docomokirai.hatenablog.com